2017.02.25
1年で消えてなくなるタトゥーの新技術
約1年で消えるタトゥーが開発されている
NYU出身のエンジニアが開発した「Ephemeral」は、何とたった1年で色素が消えるという大変画期的なタトゥーインクです。従来のインクとは全く異なる発想で作られたこの色素の名前には、「はかない」とか「短命の」といった意味が込められています。またEphemeralでは、商品名を社名に使っていますので、開発チームの力の入れようはかなりのものと捉えて良いでしょう。
どうして約1年でタトゥーが消えるの?
この会社が注目したのは、タトゥーインクの色素分子です。分子が非常に大きな従来型インクは、普段のターンオーバーで色素が排出されないことにより、永久的にデザインを保てるメリットがありました。しかしタトゥーや刺青ならではとも言える永久性は、仕事や結婚、出産といったライフイベントの変化により、大きなデメリットにもなり得るのです。そんなタトゥーの明と暗に着目したEphemeralでは、分子を小さくすることで皮膚細胞から徐々に色素が排出できる独自カプセルの開発に成功したようです。
現在は臨床実験中
細胞レベルの実験を終えたEphemeralは現在、人と類似の遺伝子を持つブタの皮膚を用いて最終的な臨床実験を行っているようです。2017年秋に商品化されれば、タトゥー業界に新たな時代が到来すると考えて良いでしょう。またEphemeralの場合は、数週間で色素が消えるヘナタトゥーよりも遥かに長持ちしますので、適度に長く刺青を楽しみたい皆さんにとって嬉しい存在になることでしょう。
Ephemeralで期間限定タトゥーを入れれば問題も解消できる!?
Ephemeralには、いくつかの懸念事項があります。それはタトゥーのデザインが消える期間が、本人の肌再生力やターンオーバーに依存する部分が大きいということです。例えば肌老化や血行不良によって傷跡の回復が遅い人の場合は、1年以上の長きに渡って刺青のデザインが残る可能性もあると捉えて良いでしょう。また逆にターンオーバーの周期が短い人の場合は、1年経たずにあっという間に皮膚に施された模様が消えてしまうこともあるかもしれません。
Ephemeralは医療レーザーで消える?
現在臨床実験中のEphemeralについては、「医療レーザーを使ったタトゥー除去治療に適したインクなのか?」といった部分についてもわかりません。結婚や就職などによって数ヶ月で刺青を消したいと患者さんが思った場合でも、レーザー照射による効果は実際に照射をしなければわかりませんので、さまざまな意味で新技術に不安を抱える皆さんは、もう少し様子を見てから施術を受けた方が良いと言えそうです。
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