2017.02.10
訪日外国人が増えることで「タトゥーお断り」の温泉が変わる
訪日外国人の増加によってタトゥーお断りの温泉はどうなるの?
日本政府観光局における2016年1月の発表によると、2015年に約1,973万人にまで達した訪日外国人の数は、近いうちに2,000万人の大台に近づくと言われています。
また2020年には東京オリンピックも開催されますので、外国人による日本への注目は今後も高まり続けると考えて良いでしょう。
今回は、日本における温泉文化のひとつとも言える「タトゥーお断り」が訪日外国人の増加によってどんな形に変わりつあるかについて、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
どうして日本には「タトゥーお断り」の入浴施設が多いの?
日本国内にタトゥー・刺青お断りの注意書きを掲げる温浴施設が多いのは、刺青に対して「暴力団や反社会的勢力の関係者である可能性が高い」というネガティブなイメージが未だに残っているからです。
リーズナブルな価格でタトゥーを入れられるスタジオが増えた今の時代は、反社会的勢力に入っていない一般の人でも刺青に挑戦しやすくなっています。
しかし万が一のトラブルを恐れる温浴施設側では、他のお客様に不安を感じさせないためにも、タトゥーや刺青の入った人を断らざるを得ない事情を抱えているのです。
日本のタトゥーお断りは海外の伝統文化をも否定する
2013年9月には、温浴施設側で顔にタトゥーの入った外国人女性に入館を断ったことで、その関係者が猛抗議をしたトラブルも生まれています。部族ごとに異なるタトゥーを入れるマリオ族は、刺青を伝統文化と捉える民族です。
このトラブルで温泉への入浴を断られた女性は、アイヌ言語に関する会合のゲストだったため、会の運営者側が施設に講義をしても入浴の許可は下りませんでした。
施設の側からすれば、「一般の人にはタトゥーや刺青を入れた背景が理解できない」という言い分があるようですが、その対応が酷いものであれば日本への貢献目的で訪れた外国人に対して不快感を与えることにもなりそうです。
まとめ
公衆浴場法において施設側が拒否権を持つ形となっている「タトゥーお断り」についても、これから訪日外国人の増加とともに、その考え方を見直す施設が増えると言われています。
また近頃では、専用テープで隠れるレベルのタトゥーであれば入浴OKとする施設も出てきていますので、訪日外国人の影響によって日本に根づく「刺青お断り」にも変化が生じると言えそうです。
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